【実施報告】プロジェクトマネジメント実践研修(2026年7月)

実施報告

プロジェクトマネジメント実践研修

2026年7月 / 対面形式 / 某IT企業様

2026年7月、某IT企業様を対象として「プロジェクトマネジメント実践研修」を実施いたしました。本研修は対面形式で行い、講義と少人数でのケース演習を組み合わせた構成としました。参加者の皆様にはホワイトボードを用いて手を動かしながら検討を進めていただき、活発な意見交換と実践的なアウトプットが生まれる場となりました。

今回は特に、プロジェクトの「立ち上げ」から「計画」に至る一連のプロセスを、現実味のあるケースに沿って体験いただくことに重点を置きました。

ホワイトボードを使ったケース演習の様子

研修の目的と背景

本研修は、以下の4つの柱でプログラムを構成しました。

1PMBOK®ガイドに基づく体系的な理解

立ち上げから終結までのプロセスと主要な知識エリアを整理し、プロジェクト全体を俯瞰する視点を養いました。

2ケース演習を通じた実践力の強化

知識の理解にとどまらず、意思決定・合意形成・リスク対応・ステークホルダー調整といった「現場で使える判断力・行動力」の定着を重視しました。

3成果物作成スキルの体得

ビジネスケースの整理、ステークホルダー分析、スコープ定義、WBS(作業分解構成)による作業の洗い出し、プロジェクト組織の設計、制約条件の明確化など、一連の計画プロセスを演習形式で体験しました。

4PMの役割の再定義

PMを単なる進捗管理者ではなく、利害の異なる関係者間を調整し最適解を導く「統合者(インテグレーター)」として捉え直しました。

今回のケース演習 ― オフィス移転プロジェクト

今回の題材は、「複数拠点を単一拠点へ集約するオフィス移転プロジェクト」です。参加者はチームに分かれ、限られた時間のなかで次の項目を検討・構造化しました。

ビジネスケース
(目的)
単一拠点への物理的・組織的な集約による固定費の削減と、営業効率の向上
制約条件 予算上限、既存の営業活動への影響、賃貸契約の解約予告期間(3〜6か月前)、原状回復義務、全体スケジュール
スコープ 移転先物件の選定、引越業者の手配、セキュリティ/インフラ・ネットワークの移管、レイアウト・座席設計、顧客・関係者へのアナウンス、受け入れマニュアルの整備
ステークホルダー
分析
既存顧客・総務部・営業部・情報システム部などを洗い出し、各関係者の姿勢(支持/中立/抵抗)とコミュニケーション頻度(週1回・月1回など)をマッピング
プロジェクト組織 プロジェクトオーナー、PM、各部門担当を配置し、役割分担と報告ラインを設計
主要成果物 新オフィスのレイアウト図・運用マニュアル、意見報告会の資料、セキュリティシステム要件 など

これらを短時間で整理していく過程で、参加者は「何を・誰と・いつまでに・どの順序で進めるか」を具体的に言語化し、計画立案の勘所を体感しました。

チームで計画を検討する参加者の様子

研修プログラム

時間帯 内容 ポイント
午前 PMBOK®の基本構造とPMの役割 プロジェクトの有期性・独自性を理解し、統合マネジメントの重要性を整理
午後前半 【ケース演習】立ち上げプロセス ビジネスケースと制約条件の定義、ステークホルダーの特定
午後後半 【ケース演習】計画プロセス スコープ定義、WBSの作成、プロジェクト組織・成果物の整理
まとめ 振り返りと気づきの共有 学びを自部門・自プロジェクトでどう活かすかを言語化

参加者の様子

演習では、各チームがホワイトボードの前に立ち、マーカーを手に熱心に議論する姿が印象的でした。役割の異なるメンバーが意見を出し合い、制約やリスクを洗い出しながら計画へ落とし込んでいく過程は、まさに実務の縮図といえるものでした。

総括・今後に向けて

本研修を通じて、参加者はプロジェクトマネジメントを単なる「管理手法」ではなく、「人と仕事を前に進めるための実践知」として捉え直す機会を得ました。今回体験いただいた立ち上げ・計画のプロセスは、実際の現場でそのまま応用できるものです。

今後は、本研修で得た知識と気づきを各プロジェクトの現場で実践し、成功・失敗の経験を組織内のナレッジとして蓄積・共有していくことが期待されます。必要に応じて、実行・監視段階や、より複雑な状況判断を扱う発展編(応用研修)の実施も検討してまいります。